爆速&本格レーサー仕様!憧れのNSR250(88年式)

爆速&本格レーサー仕様!憧れのNSR250(88年式)

アイキャッチ出典:goobike

NSR250とは

レーサーレプリカ全盛期の80年代、YAMAHA・TZR250Rと双頭を並べ人気を博していたのがHONDA・NSR250です。当時は2ST全盛期であり、NSR250はレーサーレプリカ時代の申し子と呼ばれ、一大火付け役の伝説マシーンとなりました。

New Sprinter Revolution」の頭文字をとって名付けられた”NSR250″は、市販レーサーのRS250の開発と同時に行われ、特に速さを追求したモデルとなっています。

NSR250(88)の概要

外見・カラーリング

外見に関して、87年式のずんぐりむっくり形から更に洗練され、本格的なレーサーレプリカに進化しました。そのままサーキットで走っている姿を見ると、本物のレーサー仕様と区別が付かない程の本格デザインになっています。色は赤白、青白、ロスマンズカラーの3色展開で全て人気です。特にロスマンズカラーはSP仕様でマグネシュウムホイルによって軽量化され、更に乾式多板クラッチを図り速さを追及しています。

NSR250はシートもサーキット仕様

シートは一枚物のあまり厚くないゴムウレタンに近い仕上がりになっています。あくまでもサーキットを意識した作りで、ツーリングは考えていない見た目となります。タンデムシートも申し訳程度の物ですが、けして乗れない訳ではありません。

社外品も豊富なチャンバー

左右一本出しチャンバーも、それぞれ左右の高さが違うのが、アクセントとして良い点だと思います。社外品に比べやや重いのが気になる点です。社外品は現在も多く、人気の高さがうかがえます。

NSR250(88)のメーターパネル

メーターパネルは、スピードメーター、タコメーター、TEMP計で燃料計はありません。そのままレースに出られるレーサーレプリカ車ですから当然ですね。スピードメーターの数字は180㎞までで、190㎞までのラインはあります。メーターパネル周りは、タコメーターのレッドゾーンは1万2千からで1万4千まであります。スピードメーターの横に、黒のウレタンぽいベースにタコメーターとTEMP計が埋まり、メーターを外せば即、レーサー仕様のメーター周りとなります。

エンジンの特徴

エンジン特性は、低速トルクが薄い感じですが6千回点くらいからいきなりパワーバンドに乗り、怒涛のごとく一気にレッドゾーンまで到達し大暴れするという感じです。一速では接地間が度々無くなり、気づいたらたまにフロントが浮いていました。このままでは危険なので、ステアリングダンパーを取り付けられています。これにより、フロントが軽く浮き上がった際、意図せずにハンドルが左右に向く事が無くなりました。これ以降のNSR250はモデルチェンジごとにマイルドな味付けや、コーナリング性能を向上させていきますが、このNSR250(88)はじゃじゃ馬マシーンと言われ、乗る者を選ぶマシーンとも言われています。しかし回す人には最高のマシーンだったと思います。

強烈なスタートダッシュ

以前、GSX-R750とNSR250の性能比較で、同時にスタートダッシュさせましたが、3速までNSRが完全優勢でした。2STの恩恵もありますが、NSR250R・88だからこそだと思います。その後は排気量の差にて放されていきました。公表されている馬力は45PSとなっていますが、リミッターカットは配線1本抜くだけで出来ますので、その後にパワーチエックした結果、後軸にて驚嘆の60SPを観測しました。後軸でこれだけ出ていますので、とんでもない馬力です。これにチャンバー交換とキャブ調整したら、もはや本物のサーキットマシーンです。3速でもフロントが浮いてくるような強烈なパワーです。88年式の鬼加速は250ccの領域をはるかに超えて、現代のスーパースポーツの域まで到達しますので、心して乗る必要があると感じますが、楽しめるバイクです。

コーナリング性能

発売当事は、そのままサーキットに出る方も多く、買ったその時から本格レースマシーンとして使用することが出来ました。後にも先にもこんな市販バイクは見たことがありません。フレームは、シルバーの色が物語る軽量化を図ったアルミ製の5角形です。また、純正タイヤも当時では太く、他の車体と比べて迫力がありました。峠やワインディングを攻めた場合でも足回りは非常に安定していて、サスペンションも問題ありません。純正で普通に攻めていけます。しかしエンジンも良く回ることとフロントの軽さで浮き上がるため、押さえつけながら曲がる印象です。高速道路では安定した走りが出来、むしろ風圧にて上体を支えるため運転が楽になりました。

NSR250(88)の良い点

当時流行のレーサーレプリカ仕様でレースでも引っ張りだこの大人気マシーンNSR250。速いので、乗っていて優越感があります。他に負ける気がしません。空力を考えたデザインの曲線が非常に美しく、エンジンが軽快に吹け上がるので、非常に軽く感じます。前輪は、油圧ダブルディスクで鬼加速に対応するには、非常に安心できるブレーキになっています。驚嘆の加速で振り落とされそうなぐらい凄い。ガンガン回りとてつもない力を見せ付けられます。乗るたびにサーキット感覚のようで、怖いですがアクセルを全開にしてしまいます。

メーター周りは三眼式で本格レーサー仕様を思わせてくれます。燃料計はありませんが、リザーブコックが付いています。30年経った現代でも、ツーリングで使われるオーナーの方を見かけます。未だにガンガン回りますが、峠ではリッターバイクで付いて行くのがやっとのようです。

これはオーナー様からの情報ですが、CBR250R(88年式)が先にUターンし、1速から全開走行でNSR250Rの前を走っていましたが、すぐ追い抜いたようです。つまり4ST・250ccではNSR250の相手にならないのです。サーキットでもTZR250(後方排気)には直線でかなりいい勝負をするようです。

NSR250(88)のバイクのいまいちな点

  • ライトは、角目1灯りが小さく非常に暗いです。
  • レーサーレプリカの割りには、セパレートハンドルは低く、絞りもきついです。街のりは手首、腕、肩、腰すべて辛いです。長距離ツーリングには不向きです。
  • 加速がピーキーで慣れないと非常に怖いです。
  • ガンガン回さないとかぶります。ゆったり乗っていると何回もかぶるため、都度カウル、プラグを外し、拭いてあげる事で立ち直ります。
  • ポジションがきついので、日常の街中での加速後の制動がしづらいです。
  • 公表の燃費は、リッター36㎞位となっていますが全然違います。良くて18㎞で、回さないとかぶるので普段は13km~15kmと思ってください。
  • 燃料計が無い事は、頭で考えながら距離を気にして走らなければならず、不便だと感じます。

NSR250(88)の周りからの評判

  • 本物のレーサーマシーンみたいと言われ、知ってる人には「ハチハチ」と声をかけられます。
  • 速いでしょとよく言われます。
  • 値段をよく聞かれます。現在はその価値が見直され、かなり値段が高騰しています。

NSR250(88)の主要スペック

型式 MC18
全長(mm) 1985 全幅(mm) 640
全高(mm) 1105 ホイールベース(mm) 1355
シート高(mm) 770 最低地上高(mm) 145
乾燥重量(kg) 127 総重量(kg) 145
サスペンション形式(前) テレスコピック サスペンション形式(後) スイングアーム
キャスター角 トレール(mm)
ブレーキ形式(前) 油圧ダブルディスク ブレーキ形式(後) 油圧ディスク
タイヤサイズ(前) 110/70-17 53H タイヤサイズ(後) 140/60-18 64H
■エンジン・トランスミッション
エンジン型式 MC16E エンジン種類 水冷2サイクル・ケースリードバルブ・90度V型2気筒
総排気量 249 圧縮比(:1) 7.3
ボア(mm) 54 ストローク(mm) 54.5
最高出力(kW/rpm) 45/9500 最大トルク(N・m/rpm) 3.8/8000
始動方式 キック式 点火方式 PGM-CDI
クラッチ形式 湿式多板コイルスプリング 変速機形式 常時噛合式6段リターン
燃料供給方式 キャブレター 潤滑方式 圧送飛沫併用式
燃料タンク容量(L) 16 燃料消費率(km/L) 41.5km/L