世界最速のメガスポーツ!ZX-12R(ニンジャ)の驚異のパワー

世界最速のメガスポーツ!ZX-12R(ニンジャ)の驚異のパワー

20世紀最高のスーパースポーツZX-12R。馬力は178PS。よく隼と比較されますが、隼1300cc175PS、12R1200cc178PSでカワサキお家芸のラムエアシステムで、高速時には更に馬力が上がり190PS出るようです。ラムエアシステムとは、エアクリーナーボックスに走行風を取り入れて空気を沢山送り込み、馬力アップを図るための装置です。イメージは、クルマのターボと同じ感じですが、ターボはタービンで空気を強制加圧していて、ラムエアシステムは走行風をエアダクトで取り込むことにより加圧してパワーを増していますので、最高出力は公式発表よりも馬力アップすることになります。

ZX-12Rの特徴


ZX-12Rは世界最速の座を奪還すべく軽量で小型化を図り登場。また、外観は空力抵抗を考えたミラーやカワサキ航空力学を使い超高速対応となっています。

乗り心地

ライディングポジションは、大きいのでタンクとハンドル間は長い感じがします。かかとで車体を意識しておけば荒い路面もしっかり乗れます。最高速300㎞超えに対応するためのリアショックなのでかなり硬く、路面が荒いとボンボン跳ね上がり、スピードにのっている時は危険で、減速せざるを得ません。その乗り味は実にレーシー。マイルドな低速域に対し、中速域の吹け上がりは強烈で的確な操作が必要です。

キャブレター車とは全然違い、特にA型はスタートでコツがいります。いわゆるドン付きです。これによる立ちゴケが多発し、ユーチューブの動画にも出ているほどです。更に、出発する時などアクセルワークを間違えるとハイサイドを起こして転んでしまう人も多いと聞いています。それだけ凶暴でヤンチャで扱いづらい面があると言うことは心して置いてください。A型は特性を十分理解し操作しなければいけません。

足回り


当然、タイヤもハイグリップタイヤがお勧めです。硬いリアサスに対応するために路面との接地確保できるか考えた方が良いでしょう。タイヤの温度を考えて食いつき具合の認識をしながら運転すると安全安心ですね。タイヤで言えば、驚きの純正で200ワイドの極太タイヤを標準装備しています。ハイグリップタイヤは、200のラインナップが少ないと思いますが、一昔に比べると最近は少し多くなっていますね。190なら沢山出ていますので、ほとんどのメーカーにて選ぶことが出来ます。サイズダウンの190にしますと200に比べて倒しこみが非常に楽になりました。扁平は変わらないはずですが、気持ち足着きも良くなったような気がしました。

ツーリングタイヤもおすすめ

ハイグリップタイヤをお勧めしていましたが、ダンロップスポーツマックス、ダンロップロードスマートⅡ、ダンロップロードスマートⅢを装着してもいい感じです。ダンロップスポーツマックスは、ツーリング寄りですが、一応スポーツタイヤの扱いにあります。ツーリング中心で峠3割の8千キロで寿命でした。普通のスポーツ走行でZX-12Rでも不安な事は無く十分使えました。ダンロップロードスマートⅡに関しても不安な要素は無く、快適に走れましたが、高速の遠出が多く7千㎞で寿命でした。ツーリング&スポーツタイヤのダンロップロードスマートⅢについては、用途にツーリングと書かれています。パターンもスポーツ感が薄めで不安でしたが、温まりやすく、タイヤ寿命がある程度長く使えることを想定すると、選択肢としては良いでしょう。

ZX-12Rの車体について


基本は車重があって重心位置も高めだと思います。12Rはカワサキで初めてモノコックフレームを採用していて、エンジンを吊っているような設計になっているようです。これによる特性は、コーナーに侵入時の直線は良いのだけれども、横Gがある状況でブレーキをかけると揺れる感じがします。エンジンの揺れでしょうか。一部の調査では揺れている事が分かったようですが。それ故に、ファーストインは禁物で進入速度は心しなければならないと言う事でしょう。

ZX-12RAの加速感


魅力的とされています初期型ZX-12Rは、何度も言いますがパワーと加速感は凶暴で凄いです。その分ブレーキは6ポットを使いよく効きます。この凶暴さは相当ブレーキが効かないと非常に危ないです。いづれにしても、12Rに関しましては、「スロットルワークを慎重に」がキーワードで大原則です。そして、外足でしっかり車体をホールドする事で、スムーズに車体が寝ていってくれるはずです。立ち上がりに関してもトルクは十分ありますので、一段上のギヤで走るのが良いと思います。この敏感なインジェクションを考慮して、エンジンをガンガン回さなくても結果的に速く走れると思います。

ばくおんにも登場するZX-12R

最近では、テレビアニメばくおんのメインキャラクターの川崎来夢の愛車としてZX-12R A型が登場しています。

ZX-12Rの仕様・年代別の特徴


欧州仕様のフルパワーは178ps。2000年型のマレーシア仕様は181psを発生340kmメーターを装備。ヨーロッパ規制により残念なことに、最高速戦争は消滅して、2001年型で300km/hメーターに変更されています。2002~2006B型は178psのパワーはそのままで、ヘッドライトとラムエアダクトの形状、ECUを16から32ビットに変更しました。またB型は、ピーキーな出力特性をやめて、扱いやすく仕上がっています。

インジェクションが作り出すパワーと加速感は最高ですが、ありあまるパワーを保持した凶暴さを合せ持つバイクです。スロットルワーク、これがZX-12Rにおける最大の攻略ポイントになるでしょう。それらを肝に銘じて運転するとより12Rを楽めると思います。

ZX-12Rのいまいちな点

当然といえば当然ですが、どんなにゆっくり走っても最高燃費15キロ、飛ばすと10キロくらいに。燃費はよくないです。
荒い路面では跳ね上がり飛ばされますので、速度を落とさざるを得ないでの面白くいないです。

ZX-12R主要スペック

型式 ZXT20A
全長(mm) 2080 全幅(mm) 720
全高(mm) 1185 ホイールベース(mm) 1440
シート高(mm) 810 最低地上高(mm) 120
乾燥重量(kg) 207 総重量(kg) 210
サスペンション形式(前) サスペンション形式(後) スイングアーム
キャスター角 23.5 トレール(mm) 98
ブレーキ形式(前) Wディスク ブレーキ形式(後) ディスク
タイヤサイズ(前) 120/70ZR17 タイヤサイズ(後) 200/50ZR17
■エンジン・トランスミッション
エンジン型式 ZXT20AE エンジン種類 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ
総排気量 1199 圧縮比(:1)
ボア(mm) ストローク(mm)
最高出力(kW/rpm) 178PS/10500 最大トルク(N・m/rpm) 13.6㎏/7500
始動方式 セルフスターター 点火方式 DFI
クラッチ形式 湿式多板 変速機形式 常噛6段リターン
燃料供給方式 インジェクション 潤滑方式 ウエットサンプ
燃料タンク容量(L) 20 燃料消費率(km/L)